Technology

電動化テクノロジーで気候変動へ挑戦

バッテリーパックとしての性能を引き出す

バッテリーが、次世代のエネルギーインフラとして機能するためには、温度環境に対応することが必要不可欠です。高いエネルギー密度を持つリチウムイオン電池は、鉛蓄電池とって変わろうとしていますが、安全性も含めて、課題が多いのが現状です。充電時間も、鉛蓄電池で8-10時間かかっていたものが、従来型のリチウムイオン電池でも、2-3時間で充電が可能となりました。

経済発展が見込まれる国々では、まだまだ日常の足はバイクや3輪車ですが、高温ではバッテリーの劣化が数倍早く進むこともあり、全体のリチウムイオン電池需要の中でも3%を切るなど、発展は見込めません。また、低温化では、化学反応が起こりづらくなるので、寒冷地での利用も難しいと言わざるを得ません。

過酷な環境に耐えられるバッテリーが無いことが、その寿命の短さからコストを増大させ、本来電動化の恩恵を受けられる人々に、ソリューションを届けられていないのです。

私たちは、高温・低温でも安定して、長い間利用ができるバッテリー技術の開発に取り組んでいます。バスバーや、コネクタ、チップなどの要素技術も様々な企業と共同で開発を進めてきました。


マイナス30℃ ~ 60℃でも動作可能なBMS及び保護基板(特許出願予定)

回路設計、製造、制御用組み込みソフトウェアの開発も自社で行っております。セル単位で常時監視を行い、充放電の最適化で、電気の効率利用と長寿命化を実現します。

また、組み込みのEdge AIで処理済みのデータをクラウドへ送信。省電力・省データでバッテリーの研究開発に必要なデータの取得と、ビックデータを背景としたバッテリー起点の新たなビジネスを開発します。


強制空冷によるバッテリ冷却技術(特許出願済)

車両部品メーカーとの共同開発で実現。バッテリパック内に流入する風の温度、風量、風速を的確に調整し、急速充電により発生する発熱源の冷却を行います。

樹脂による筐体の開発も得意としており、プラスチックの再利用や、海洋プラスチックの利用も進めています。

また、金属筐体の場合、通信機能を内蔵するためにはアンテナを外部に露出させるなどの設計が必要ですが、それも不要です。
ペルチェ素子を使用した排熱方法や、様々な材料の使用も検討中です。


大電流に特化したモビリティ用コネクタ(特許出願済)

急速充電・放電時に、大量の電流を流そうとすると、接点が少ない通常のコネクタでは発熱が大きくなります。また、抜き差しを行う際に、コネクタの金属部が摩耗し、更に抵抗値が上がると、発熱が大きくなる傾向にあります。

その結果、バッテリー以外の発熱源となり、電池セルを劣化させ、寿命を短くするおそれがあります。また、摩耗が進むと、コネクタの故障がバッテリー自体の故障につながり、バッテリーパックとしての寿命を大幅に短くするおそれがあります。

通常のコネクタだと、挿抜回数が500回ほどで寿命を迎えますが、コネクタの接点数を増やすことで、大電流による発熱も、メンテナンスコストも大幅に抑えることが可能となりました。


通常の電源で3分充電を実現(特許出願済)
NX Power-Amp System

通常、急速充電をしようとすると、動力用の電源を必要とします。ナチュラニクスでは、1,500Wの家庭用コンセントからでも、4,500-6,000Wの高出力で、バイク用のバッテリーパックであれば、数分間で満充電が可能となるシステムを開発しました。

充電器の中に、バッテリーを内蔵し、家庭用電源と併せて急速充電を可能とします。

また、この技術は、災害時に多数の人が同時に電源にアクセスできる、非常用電源・スマートフォン充電器へも生かされています。


カスタマイズとサブスクリプション

乾電池のようにバッテリーパックも規格があればよいのですが、用途によって、様々なバッテリーパックの形状があるのが現状です。

鉛蓄電池の置き換えや、安全性や充電速度の懸念から、LFPやMNCなどの既存のリチウムイオン電池からの置き換えもご相談ください。既存のバッテリーモジュールの組み込みから、新規開発まで柔軟に対応いたします。

AGVやゴルフカート、フォークリフトや産業用ロボットなどを得意としていますが、自動車用のECU、パワートレインを電車向けに転用した後進国の国鉄向け電動化プロジェクトなど、バッテリーを組み込んだパワートレインの設計・開発の実績もあり。

量産時には、購入も可能ですが、サブスクリプション・レンタルで、バッテリーパックの提供が可能です。バッテリーを組み込まれる機器メーカー様は小さな初期費用で、サブスクリプションサービスの提供も可能となります。